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サウナ・瞑想・コミュニティ…コワーキングスペースが「健康と繋がりの場」に進化している

朝サウナで頭をリセットしてから仕事を始める。瞑想で集中力を整えてからミーティングに臨む。仕事の後は同じ空間にいる仲間と一言二言交わして帰る。コワーキングスペースが、単なる「作業場」を超えた存在に変わりつつあります。
この記事を読むとわかること
- 「体と心を整えると仕事がうまくいく」は根拠のある話
- サウナ・瞑想・マインドフルネスが仕事のパフォーマンスに与える効果
- ウェルネス×コワーキングの実際の施設事例
- 「湯ワーク」「コミュニティ」という新しい働き方のかたち
- 企業が社員の健康投資を重視する理由
1. コワーキングスペースに「健康」と「つながり」が求められる時代に

少し前まで、コワーキングスペースといえば「Wi-Fiと電源があれば十分」という認識が一般的でした。しかし今、利用者が求めるものは変わってきています。
リモートワークが日常になるにつれ、「自宅だと誘惑に負けて集中できない」「メリハリがつかず休憩を取り忘れる」という悩みに加え、「仕事中の孤独感」という新たな課題が浮かび上がってきました。パーソル総合研究所の調査では、テレワーク中に「孤立していると思う」と回答した人が28.8%にのぼり、在宅頻度が高いほどその傾向が強まることが明らかになっています(パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」)。
「集中できる環境」だけでなく、「体と心を整えられる場所」「緩やかなつながりを感じられる場所」へ。そうした複合的なニーズに応えるウェルネス型コワーキングスペースが、じわじわと広がりを見せています。
2. 「体を整える」だけでなく「心を整える」ことも仕事に効く

経済産業省は2015年から「健康経営」を推進しており、社員の健康を守ることが「仕事への意欲や生産性向上につながり、結果的に会社の業績アップにつながる」と明示しています(経済産業省 健康経営の推進について(2024年))。2024年度の「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定企業は3,400社を超え、日経平均225社の約8割がこの調査に回答しています(経済産業省 健康経営推進検討会資料(2025年))。
サウナが「脳をリセット」するしくみ
日本サウナ学会代表理事・医師の加藤容崇氏は、「ととのう」状態を「アドレナリンが血中に残ったまま自律神経がリラックスした、覚醒とくつろぎが同時に起きている状態」と説明しています(日本経済新聞 サウナ専門家インタビュー(2022年))。仕事で頭がごちゃごちゃしているとき、サウナに入ることで思考がすっきり整理される感覚は、多くの利用者が実感しています。加藤氏の計測では、サウナに入った日は入らなかった日と比べて深い睡眠が平均1.5倍に延びるというデータも報告されており(SAUNA BROS.WEB インタビュー)、睡眠の質が上がれば翌朝の集中力にも直接影響します。
瞑想・マインドフルネスで「集中力」と「ストレス耐性」を鍛える
「マインドフルネス」とは、「今この瞬間に意識を向け、評価せずにありのままを受け入れる心の状態」のことです(日本マインドフルネス学会定義、Worker’s Resort より)。瞑想を通じてこの状態をつくることで、集中力の向上・ストレス軽減・感情コントロール力の強化といった効果が期待できます。
Google・Apple・Yahoo! JAPANなどグローバル・国内大手企業がこぞってマインドフルネスを社員研修に取り入れているのは、その効果が実証されているからです。Appleは社内に瞑想ルームを設置し、Yahoo! JAPANでは800人以上が参加するマインドフルネスプログラムをリーダー育成に活用しています(マインドフルネス企業導入事例まとめ)。コワーキングスペースに瞑想ルームやストレッチスペースを設けることは、こうした企業ニーズにも応える設備投資といえます。
運動・自然光・いい椅子も、じつは仕事の質に効く
身体的な環境も見逃せません。体に合った椅子(エルゴノミクスチェア)や昇降デスクの導入、植物や自然光を取り入れたバイオフィリックデザインの空間は、長時間のデスクワークによる疲れやストレスを和らげる効果があるとされています。「どこで働くか」が「仕事の質」に直結する時代です。
3. 実際にある!ウェルネス型コワーキングスペース事例
【名古屋】SENSE sauna ― サウナ後そのまま仕事へ
名古屋駅から徒歩6分のSENSE saunaは、「都心で働く人のためのサウナ」をコンセプトに掲げた施設です。温度の異なる4種類のサウナ室・3つの檜の水風呂・外気浴スペースを備え、サウナ後そのまま隣のコワーキングエリア「SPACE STATION」へ移れます。Wi-Fi完備の個室ブースや会議室も揃い、「朝サウナ→集中作業」「夕方にととのって帰宅」という流れが一か所で完結します。仕事とリフレッシュを自然に行き来できるこの環境は、ワーク・ライフ・ブレンドの実践モデルとして注目されています(SAUNA BROS.WEB インタビュー)。
【神奈川・鎌倉】Think Space鎌倉 ― 瞑想とコミュニティが生まれるコワーキング
稲村ガ崎に位置するThink Space鎌倉は、「マインドフルネス×コワーキングスペース」を明確なコンセプトとして掲げた施設です。囲炉裏のある日本家屋を活かした空間で、瞑想・ヨガ・ワークショップなどのプログラムが定期的に開催されています。「集中して仕事をしながら、地域のコミュニティとも自然につながれる場所」として、移住者やリモートワーカーが集まるローカルハブにもなっています。仕事と内省、そして人とのつながりを一か所で体験できる、新しいかたちのコワーキングスペースです。
【東京・恵比寿】グランサイズ恵比寿ガーデン ― フィットネスとビジネスラウンジの融合
コナミスポーツクラブのプレミアムブランドグランサイズ恵比寿ガーデンは、恵比寿ガーデンプレイス地下1階に位置するハイグレードなフィットネスクラブです。充実したトレーニングマシン・スタジオ・プールに加え、Wi-Fi完備・無料カフェサービス・水素水が揃うビジネスラウンジを完備。平日は6:30からオープンしており、「朝のトレーニング→ラウンジでリモートワーク」という流れが一つの施設で完結します。入会審査があり月会費27,000円(税込)からとハードルは高めですが、心身ともに最高の状態で仕事に向かいたいエグゼクティブ層に支持されています(グランサイズ 料金・入会情報)。
【大阪・梅田】うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park ― 「湯ワーク」で新しい働き方を体験
2025年春にオープンしたうめきた温泉 蓮 Wellbeing Parkは、大阪駅直結のグラングリーン大阪にある関西最大級のウェルネス施設です。天然温泉・岩盤浴・溶岩浴・フィットネスジム・スタジオ・プール・瞑想ルーム・食事処が一棟に集約されています。
館内のラウンジにはWi-Fiが整備されており、PC作業が可能です。「温泉やサウナで体をリフレッシュしながら仕事を進める」「湯ワーク」(お湯のある場所で仕事をする新しいワークスタイル)を実践できる場として注目されています。「朝風呂→ラウンジで集中作業→岩盤浴でリフレッシュ→再び仕事」というサイクルで、仕事と休息が自然に溶け合っていく体験ができます。
本格的なオフィス設備(複合機や会議室など)はありませんが、「開放的な空間でリラックスしながらクリエイティブな作業やリモートワークをしたい」というときには、これ以上ない最高の環境になります。
4. コワーキングスペースは「コミュニティの場」でもある

ウェルネス型コワーキングスペースの魅力は、体や心を整えられるだけではありません。「適度な人の気配の中で働ける」こと、そして「自然な出会いやつながりが生まれること」も、大切な価値のひとつです。
リモートワークが日常化した今、「話しかけてほしいわけじゃないけど、ひとりでもいたくない」という感覚を持つ人は増えています。コワーキングスペースは、そのちょうど良い「居場所」になれる場所です。黙々と仕事をしながらも、同じ空間に人がいる。休憩スペースで少し言葉を交わす。ヨガや瞑想のイベントで顔なじみができる。
東京・丸の内の会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi」では、瞑想スペースや仮眠室の設置に加え、ヨガイベントなどのウェルネスコンテンツを定期開催することで、利用者同士の緩やかなコミュニティを育てています(ニュースイッチ by 日刊工業新聞社)。「効率・創造・健康」をテーマに複数の企業が実証実験を行う場としても機能しており、仕事の場であると同時に、新しいつながりが生まれるプラットフォームになっています。
こうしたコミュニティ機能は、スペースが単なる作業場から「また来たくなる場所」になるための大切な要素です。価値観の近い人たちが自然に集まり、偶然の会話からアイデアが生まれる。それがウェルネス型コワーキングスペースの、最も人間的な魅力かもしれません。
5. 企業の福利厚生・健康経営として活用するという選択肢
「社員が行きたくなるオフィス」をどうつくるか
リモートワーク定着後の課題として、多くの企業が頭を抱えているのが「社員のメンタルケア」と「チームのつながりの希薄化」です。ウェルネス設備を備えたコワーキングスペースは、社員が自発的に「行きたい」と思える第三の職場として、孤立感の解消やリフレッシュにも機能します。経済産業省の「健康経営優良法人」の認定基準には「運動機会の増進」「メンタルヘルス対策」が含まれており(経済産業省 健康経営優良法人について)、こうした施設の法人利用は認定取得の後押しにもなります。
「社員の健康を大切にしている会社」というブランドは、採用や定着率の面でも差別化につながります。ウェルネスへの投資は、コストではなく、人材戦略の一部として捉える視点が広がっています。
6. ウェルネスコワーキングを開業・運営したい方へ
サウナ・瞑想・コミュニティといった要素を組み合わせたコワーキングスペースは、差別化という面で大きな可能性を持っています。一方で、予約管理・入退室管理・複数の予約サイトへの掲載など、運営の手間が増えがちな面もあります。
スペース管理プラットフォームのOnePlace HUBは、予約・決済・スマートロック連携・会員管理・売上分析・外部プラットフォームへの自動掲載をワンストップで管理できるオールインワンのツールです。初期費用・月額0円から始められるプランもあるため、スペース運営の手間を減らし、場の雰囲気やコミュニティづくりに集中したい方には参考になる選択肢です。
まとめ
コワーキングスペースは今、単なる「仕事場」から「体と心を整えながら、人ともつながれる場所」へと進化しています。
SENSE saunaの「サウナ後そのまま作業できる環境」、Think Space鎌倉の「瞑想とコミュニティが生まれる場所」、グランサイズ恵比寿ガーデンの「フィットネスとビジネスラウンジの融合」、うめきた温泉 蓮の「湯ワークができる都市型ウェルネス空間」。形はそれぞれ違いますが、共通しているのは「いいコンディションで仕事に向かい、自然な人のつながりも育める場所」という発想です。
サウナで脳をリセットし、瞑想で心を整え、同じ空間にいる人との緩やかなつながりの中で仕事をする。そんな働き方が、これからのスタンダードになっていくかもしれません。