COLUMN

コラム

出張の空き時間にコワーキングスペースを。ドロップインで広がる施設運営

駅ビル内のコワーキングでノートPCを開いて仕事をする出張中のビジネスパーソン

出張先で、商談まで少し時間が空いたとき。打ち合わせが終わって、次の予定まで時間ができたとき。皆さんは、その時間をどこで過ごしていますか?

カフェで仕事をしようと思っても、席が空いているとは限りません。また、初めて訪れる土地では、近くにどんな施設があるのかも分かりにくいものです。

そんなときに、気軽に使えるコワーキングスペースや会議室が見つかれば助かります。空き時間を、仕事の時間に変えられるからです。

今回は、私たちが出張中に感じた「少しだけ使いたい」というニーズをお伝えします。施設運営に携わる皆さまにとって、新しい利用の機会になるかもしれません。国のデータや参考事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

出張中の「少しだけ使いたい」は、コワーキングスペースの新しいニーズ

出張中は、予定が細かく分かれがちです。商談や打ち合わせ、移動が続くからです。そのため、予定と予定のあいだに「少しだけ」時間が空きます。

その時間に、資料を見直したり、メールを返したり、次の準備をしたりしたくなります。

出張先でよくある「少しだけ」の4つの場面

例えば、次のような場面です。

場面利用者の気持ち合いそうな使い方
商談前の30分落ち着いて資料を確認したいコワーキングスペースのドロップイン
打ち合わせの終了後そのまま仕事を続けたい会議室の短時間利用
電車の時間までメールやオンライン会議に使いたい個室や半個室の席
初めての土地迷わず使える場所を知りたい現在地の近くで探せる仕組み

「ドロップイン」とは、会員にならずに1回だけ使える利用方法です。予約して使う会議室も、短い時間だけ借りたい出張者にとっては頼れる存在です。

つまり、出張者が求めているのは、長く居座れる場所ではありません。必要なときに、必要な分だけ使える場所なのです。

出張先の駅前で時計を気にしながら、スマートフォンで近くの施設を探している様子

国のデータで見る、働く場所が広がる背景

まず、国土交通省の調査を見てみましょう。2026年3月に、「令和7年度のテレワーク人口実態調査」が公表されました。

雇われて働く人のうち、テレワークの経験がある人は全国で25.2%でした。前年度より0.6ポイント増えています。直近1年間にテレワークをした人の割合も16.8%で、1.2ポイント増えました。

次に、観光庁の調査です。2025年の日本人の国内旅行は、延べ5億5,313万人でした。前年より2.4%の増加です。

これは出張に限った数字ではありません。ただ、人の移動が活発なことは分かります。

ただし、出張の空き時間に限った公的な統計は、私たちの調べた範囲では見つかりませんでした。そのため本記事では、出張中に感じたことを軸に、データと事例で補って考えます。

出張者がコワーキングスペースや会議室を探すときの困りごと

出張先で、施設が見つからない・分からない・手間がかかる

初めての土地では、施設探しそのものが負担になります。例えば、どこにコワーキングスペースがあるのか。ドロップインに対応しているのか。予約は必要なのか。

さらに、施設ごとに情報を調べて、使い方を確かめる。これは忙しい出張者にとって、思った以上に手間です。調べる時間が長くなれば、空き時間そのものが減ってしまいます。

しかも、施設ごとの会員登録が必要な場合は、さらに足が遠のきます。

出張者に大切なのは「見つかること」と「使えること」

場所が見つかっても、使い方が分からなければ足が向きません。反対に、使い方が簡単でも、存在を知らなければ選ばれません。

だからこそ、「使いたい場所が見つかること」と「実際に使えること」。この2つがそろうことが大切です。

次の章では、このヒントになる参考事例を2つご紹介します。

参考事例①|駅ナカの個室ブース「STATION BOOTH」に学ぶ短時間利用

15分から使える。会員でなくても使える

1つ目は、JR東日本が展開するシェアオフィス事業「STATION WORK」です。駅の構内などに、1人用の個室ブース「STATION BOOTH」を設けています。

まず、INTERNET Watchの2022年7月28日付の記事です。博多駅、松江駅、鳥取駅など計10駅への開業が紹介されています。

記事で紹介されている主な特徴は、次のとおりです。

  • 1人用の利用料金は、275円/15分(2022年の記事の掲載時点)
  • 会員のほか、会員でない人も利用できる
  • 支払いは、会員は登録したクレジットカード、一般の利用者は交通系ICカード
  • ブースの入退室にも、交通系ICカードを使う
  • 電源、Wi-Fi、空調を備えている

その後、JR東日本の情報メディアでは、基本料金が330円(税込)/15分と案内されています(2025年4月更新)。このように、料金は見直されることがあります。最新の情報は、公式サイトでご確認ください。

また、規模も広がっています。JR東日本は2023年12月、STATION WORKが12月26日に1,000カ所を突破すると発表しました。2027年度には、1,400カ所を目指すとしています。(出典:JR東日本 プレスリリース)

施設運営に活かせる3つの視点

この事例から、私たちは次の3つを感じました。

  • 短い時間から使える:15分という区切りが、気軽さにつながる
  • 使い方が分かりやすい:会員でなくても使える
  • 移動の途中にある:駅という、人が通る場所にある

短い時間で区切られていると、利用者は「ちょっと使ってみよう」と思いやすくなります。また、会員でなくても使えれば、初めての人も安心です。

もちろん、コワーキングスペースと駅の個室ブースは同じではありません。ただ、「短時間でも気軽に使える」という考え方は、ドロップインにも通じます。会議室の短時間利用にも通じます。

駅構内の個室ブースで、ノートPCを使ってオンライン会議をする人のイメージ

参考事例②|「ワークスタイリング」にみる、提携で広がる使える場所

2つ目は、三井不動産の「ワークスタイリング」です。シェアオフィスやレンタルオフィスを運営しています。マイナビニュースの記事を見てみましょう。

約120拠点と提携先を合わせて、約600拠点に

記事によると、ワークスタイリングは約120拠点を展開しています。さらに、JR東日本の「STATION WORK」とも提携しています。

その結果、合わせて約600拠点を利用できるそうです。先ほどの事例①と、つながっている点も興味深いところです。

「会議室が足りない」という声にも注目

同じ記事では、社外での会議室不足が目立ってきていることにも触れています。本社の近くや少し離れた場所に拠点があれば、外部の会議室として使えるという紹介です。

また、記者説明会では、市場の広がりも紹介されました。シェアオフィスやレンタルオフィスなどの市場規模は、この10年で約3.5倍だそうです。

出張者にとっても、会議室が欠かせない場面があります。急に商談の場所が必要になることもあるからです。

施設運営のヒント:1か所で抱え込まない

自社の1拠点だけでなく、提携先ともつながる。そうすれば、使える場所が増え、利用者は選びやすくなります。

そこで、2つの事例を表にまとめました。

参考事例運営特徴(掲載時点)施設運営へのヒント
STATION BOOTHJR東日本275円/15分(2022年)。会員でなくても利用できる短時間で気軽に使える
ワークスタイリング三井不動産約120拠点。提携を含めて約600拠点を利用できる提携で選択肢を広げる

施設運営者にとっての新たな利用機会とは

出張者や外出中のビジネスパーソンという新しい利用者

駅の近くのコワーキングスペースや会議室は、出張者にも使ってもらえる可能性があります。近くで働く人だけが、利用者ではありません。

商談前の短い時間。急に空いた時間の作業場所。次の移動までの一時的な利用。利用者が施設を必要とするタイミングは、実にさまざまです。

空いている席や会議室を、短時間の利用で活かす

空いている席や時間は、そのままでは売上になりません。しかし、短い時間から使える枠があれば、出張者にとって選びやすくなります。

ただし、料金や貸し出しの単位は、施設ごとの運営方針によって異なります。まずは無理のない範囲で考えることが大切です。

「知られていない」を解消する接点づくり

一方で、施設の存在やドロップインの使い方が知られていなければ、見つけてもらえません。そのため、施設の環境やサービスを整えるだけでは足りません。利用したい人が、必要なときに施設を見つけられる接点づくりも大切です。

新しい集客の取り組みを、一から始める方法もあります。けれども、すでにあるサービスとの接点を活かして、知ってもらう機会を広げる方法もあります。

出張者に選ばれる施設運営のための3つの工夫

ここからは、私たちの考えです。すべての施設に当てはまるわけではありませんが、ヒントとしてご覧ください。

ドロップインや会議室に、短時間の利用枠を用意する

出張者の空き時間は、1時間に満たないことも多いでしょう。そのため、短い時間でも使える枠があると、選ばれやすくなります。

コワーキングスペースの使い方を、ひと目で伝える

例えば、初めての人は、入口で迷います。受付の方法、お支払い、利用できる時間帯。この3つを分かりやすく案内しておくと安心です。

ワークスペースの設備を、具体的に載せる

電源やWi-Fiの有無、個室や会議室の人数、オンライン会議のしやすさ。こうした情報があれば、出張者は事前に使えるかどうかを判断できます。

この3つは、特別な設備がなくても見直せるものばかりです。まずは、できることから始めてみてください。

施設の入口に、利用方法を示すQRコードのスタンドが置かれている様子

想定してみましょう|駅から近いコワーキングスペースの場合

ここで、想定の例を考えてみます。実際の事例ではありません。

駅から歩いて5分ほどのコワーキングスペースがあるとします。普段の利用者は、近くで働く会員の方が中心です。

平日の昼間は、席に少し余裕があります。また、会議室も午前中は空いています。

この空きを、出張者のドロップインや会議室の短時間利用に使えたら、どうでしょうか。ただし、出張者が施設の存在を知らなければ、使われることはありません。そこで必要になるのが、見つけてもらうための接点です。

OnePlace HUBで、出張者と施設運営をつなぐ

ここからは、私たちOnePlace HUBについてご紹介します。

いつものアプリから、周辺のコワーキングスペースを探せる

OnePlace HUBは、複数のワークスペース関連サービスとつながる仕組みです。そして、利用者は、現在地や使いたい場面に合わせて施設を探せます。

出張先で少し仕事をしたいときも、いつも使っているサービスから周辺の施設を探せます。そのまま、ドロップインや会議室の予約につなげることもできます。

つまり、施設を探すためのアプリを、一から調べる必要はありません。複数のサービスを使い分ける手間も減らせます。

施設側の負担は小さく、今の取り組みと併用できる

施設運営の皆さまにとっても、始めやすい仕組みを目指しています。

  • 利用者は、施設ごとに会員登録をする必要がありません
  • 施設側は、QRコードを設置するだけで始められます
  • すでにお使いの集客サイトとも、あわせて使えます
  • 利用に応じて手数料が、施設側に還元されます

ドロップインのときは、利用者が店舗のQRコードを読み取るだけです。お支払いも、いつものアプリで自動で済みます。

これまで接点のなかった出張者に、施設を知ってもらう。そのきっかけになればと、私たちは考えています。

受付やお支払いの運用も、整えやすくなります

OnePlace HUBには、自動チェックインや決済の機能があります。スマートロックとの連携もできます。また、会員の管理や、売上の分析にも対応しています。

そのため、受付やお支払いの流れを整えやすくなります。初めての施設でも、出張者が迷いにくくなるはずです。

掲載するだけで、必ず利用者が増えるわけではありません

正直にお伝えすると、掲載するだけで必ず利用者が増えるわけではありません。施設の立地や利用条件、対応できるサービスによって、活かし方は変わります。

だからこそ、運営方法を大きく変える必要はありません。今の取り組みを活かしながら、新しい利用者との接点を足していく。その進め方をおすすめします。

OnePlace HUBの導入前に確認したい3つのポイント

検討を始める前に、次の3つを整理しておくと、相談がスムーズです。

ポイント確認したいこと
立地駅やオフィス街、ホテルからの近さ。出張者が立ち寄りやすい場所か
利用条件ドロップインの利用時間や料金。会議室の貸し出し単位
対応できるサービス受付の方法、お支払い、鍵の開け閉めを、どのように運用するか

よくある質問

出張者は、施設ごとに会員登録が必要ですか?

OnePlace HUBなら、利用者は施設ごとに会員登録をする必要がありません。いつものアプリから、そのまま利用できます。

会議室だけの利用も増やせますか?

会議室の予約にも対応しています。短い時間だけ借りたい出張者との接点づくりに役立ちます。ただし、効果は施設の条件によって異なります。

出張者向けに、特別な設備は必要ですか?

特別な設備は必須ではありません。電源やWi-Fi、使い方の案内など、基本を分かりやすく伝えることから始められます。

掲載すれば、すぐに利用者が増えますか?

掲載するだけで、必ず増えるわけではありません。立地や利用条件を踏まえて、活かし方を考えることが大切です。

まとめ|出張者の「少しだけ使いたい」を施設運営の新たな機会に

出張中の空き時間は、長いとは限りません。でも、商談前の準備やメール対応など、役立つ場面はたくさんあります。コワーキングスペースや会議室の出番です。

そして、利用者が求めているのは、作業できる場所だけではありません。初めての土地でも見つけやすく、使い方が分かり、スムーズに使えることも大切です。

参考事例からは、短時間から使える気軽さが見えてきました。さらに、提携で選択肢を広げる考え方も見えてきました。

この記事のポイントを、最後に整理します。

  • 出張者は、長時間ではなく「少しだけ」使える場所を探している
  • 事例からは、短時間の利用と提携という2つのヒントが見えた
  • 掲載だけでなく、立地や利用条件に合わせた活かし方が大切

今ある施設を、必要としている人にもっと見つけてもらうために。

OnePlace HUBを活用した、利用者との接点づくり。ぜひ一度、考えてみませんか。詳しくは、OnePlace HUBの紹介ページをご覧ください。

参考・出典リンク

※料金・サービス内容・拠点数などは、各記事・発表の掲載時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

スタータープラン