COLUMN

コラム

コワーキングの市場動向と今後は?最新データで読み解く3つの変化

自然光が差し込む明るいコワーキングスペースでノートPCを開いて仕事をする日本人と海外出身のビジネスパーソン

「コワーキングは、これから先も伸びていくの?」

「施設が増えるなら、うちは埋もれてしまうのでは?」

こんな不安を、お持ちではないでしょうか。

私たちのところにも、施設運営者のみなさんから同じようなご相談が届きます。そこで今回は、国や調査会社が公表している最新のデータをもとに、コワーキングの市場動向と今後を整理しました。

ただし、将来のことを言い切ることはできません。そのため、数字で確認できた事実と、私たちの見方を分けてお伝えします。

読み終えるころには、今から何を準備すればよいかが見えてくるはずです。

この記事のポイント|コワーキングの市場動向と今後を先にまとめます

  • 働く人の側:テレワークをする人の割合は、減り続けた時期を経て、令和7年度の調査で増加に転じました。
  • 施設の側:東京23区のコワーキングやレンタルオフィスなどの拠点数と面積は、1年で約1割ずつ増えています。
  • 今後のカギ:施設が増えるぶん、選ばれる理由づくりと、運営の手間を増やさない工夫が大切になります。

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

テレワークの現状|コワーキングの市場動向を支える土台

コワーキングを使う人が増えるかどうかは、テレワークをする人が増えるかどうかに左右されます。そこで、まずは働く人と会社の最新データを見てみましょう。

働く人の割合は、増加に転じました

窓際のオープン席で落ち着いて集中してノートパソコンを操作する日本人男性ワーカー

国土交通省は、令和8年3月に「令和7年度テレワーク人口実態調査」の結果を公表しました。

調査は令和7年10月に行われたインターネット調査で、有効な回答は4万人分です。それによると、会社などに雇われている人のうち、テレワークをしたことがある人の割合は25.2%でした。前の年より0.6ポイント増えています。

また、直近1年間にテレワークを実施した人の割合は16.8%で、1.2ポイント増えました。国土交通省は、コロナ禍のあとは減少が続いていたものの、令和7年度は増加に転じて安定した流れになっていると説明しています。

つまり、働く場所が自宅や会社だけではなくなった流れは、続いているといえます。

年度テレワークをしたことがある人直近1年間に実施した人
令和6年度24.6%15.6%
令和7年度25.2%(+0.6ポイント)16.8%(+1.2ポイント)

出典:国土交通省「テレワーク人口実態調査」(雇用型就業者が対象)。令和7年度は上記の報道発表資料、令和6年度の「したことがある人」は令和6年度の報道発表資料より。令和6年度の「直近1年間」は、令和7年度の増減(+1.2ポイント)から私たちが計算しました。

会社の半分は、テレワークを取り入れています

次に、会社側の動きです。総務省の令和7年通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業は50.1%でした。(出典:総務省 令和8年版情報通信白書)

労働新聞によると、前の年から2.8ポイント増えています。導入の目的では、「勤務者のワークライフバランスの向上」が53.8%と高く、「人材の雇用確保・流出の防止」も23.9%で、前年から3.6ポイント増えました。

なお、この調査の対象は、常用雇用者が100人以上の企業です。働き方の選択肢を用意することが、人材を確保する工夫の一つになっていることがうかがえます。

都市部と地方で、導入率に大きな差があります

ただし、どこでも同じように広がっているわけではありません。総務省の資料によると、令和7年の導入率は、都市部が57.2%、地方部が36.5%でした。

ここでいう都市部は、南関東、近畿、東海の地域です。差は約20ポイントあります。さらに総務省は、都市部と地方部の差が広がっていると説明しています。(出典:テレワーク関係府省連絡会議 議事概要)

地方でコワーキングを運営している方にとっては、「まだ使っていない人が多い」という見方もできます。一方で、使い方を知ってもらう工夫は、都市部より必要になりそうです。

コワーキング施設は増えている?拠点数と面積で見る市場動向

ここからは、施設の側のデータです。はじめにお伝えしておくと、コワーキングだけを切り出した公的な統計は、私たちが確認できた範囲ではありません。

そこで、民間のザイマックス不動産総合研究所が毎年まとめている「フレキシブルオフィス市場調査」を使います。コワーキングの市場動向を知る目安として、とても参考になります。

東京23区では、1年で拠点数が約1割増えました

項目2025年調査(2024年12月時点)2026年調査(2025年12月時点)変化
首都圏の拠点数2,137件2,347件+210件
東京23区の拠点数1,777件1,964件+187件
東京23区の面積約30.8万坪約34.2万坪+約3.4万坪
オフィス全体に占める割合約2.3%約2.6%+約0.3ポイント

出典:2025年調査は不動産ニュース(ステップオン)、2026年調査は三菱UFJ信託銀行「オフィスマーケット情報 2026年8月号」(ザイマックス総研の調査を引用)。「変化」は私たちが計算しました。

2026年の調査では、首都圏の拠点数は2,347件でした。東京23区は1,964件で、そのうち都心5区が1,278件を占めます。前の年の調査と比べると、23区の拠点数は約10.5%、面積は約11%増えた計算です。

それでも、オフィス全体に占める割合は約2.6%です。つまり、まだ全体のごく一部ですが、着実に広がっているといえます。

供給は首都圏と関西圏が中心です。ただ、地方の中核都市にも広がりつつあります。関西圏は409件で、そのうち大阪市が243件でした。

また、首都圏では、1つの会社が複数の拠点を持つ「複数拠点型」が、どの地域でも9割前後を占めています。大手が展開するチェーン型が中心になっている、ということです。

都心では高級路線が進み、利用料も上がっています

続いて、JLLのレポートも見てみましょう。

東京都心5区では、2025年の新しい供給が通年で3万4,800㎡でした。年末時点の総量は7%増えています。2024年はほぼ横ばいでしたので、成長の勢いが戻ったことになります。

さらに、2025年10〜12月の1席あたりの平均月額利用料は、前の年の同じ時期より約10%上がりました。背景には、立地がよく質の高いビルに人が集まる動きがあります。JLLは、この流れを「質への逃避」と呼んでいます。

三菱地所の「XLINK」や、リージャスの「Signature」など、高級ブランドの出店も続いています。

一方で、都心の外や小さな施設については、拠点数の動きまで確認できる公開データがありません。ここは私たちの見方ですが、都心で競争が強まるほど、立地や価格だけで選ばれるのは難しくなりそうです。

コワーキングの今後を左右する3つの変化

吸音パネルとガラス扉が設置された明るいソロワーク用個室ブースとオープンエリアの内観

ここからは、データから読み取れるコワーキングの今後について考えます。未来を言い当てるのではなく、「こうした方向に進みそうだ」という見方としてお読みください。

変化1|「毎日通う」から「必要なときだけ使う」へ

国土交通省は、令和5年度の調査結果で、出社と組み合わせた働き方が広がっていると発表しました。

自宅、会社、そして外のスペース。その日の予定に合わせて、働く場所を選ぶ人が増えています。

また、ザイマックス総研の資料では、施設のタイプによって使われ方が違うこともわかります。たとえば、小さな個室ブースは主に短時間のひとり作業やオンライン会議、貸会議室は研修やイベントなどの単発利用が中心です。

こうした流れから、月額で通う人だけでなく、1回だけ使う人にも選ばれる工夫が、これからの強みになりそうです。

変化2|都心は高級化、地方は「知ってもらう」ことが課題に

先ほどのデータを合わせると、場所によって課題が違うことが見えてきます。都心では、質の高い施設が増え、利用料も上がっています。そのため、設備や立地で見劣りしないよう、強みをはっきりさせる必要があります。

いっぽう地方では、テレワークの導入率が都市部より低い状況です。そのため、まずは「こんな使い方ができる」と知ってもらうことが、大切な一歩になります。

変化3|無人化と、サービス同士の「つながり」が進む

人手をかけずに運営する「無人化」や「省人化」も、見逃せない動きです。ネットで予約と支払いができ、スマホで開け閉めできる鍵を使えば、スタッフがいない時間帯にも営業できます。

さらに、複数のサービスが利用者を紹介し合う「送客提携」も広がっています。

施設運営者が直面しやすい課題と対策

課題1:集客経路が限られている

自社サイトやSNSは、施設の雰囲気や利用ルールを伝えるのに向いています。しかし、施設名を知らない人には届きません。外出先で近くの仕事場を探す人にも、見つけてもらいにくいでしょう。別の接点も必要です。

対策:利用者の検索行動に合わせて接点を増やす

まず、主な利用者と利用目的を整理しましょう。次に、利用者がどこで施設を探すかを考えます。地域名で検索する人には、自社サイトの情報が役立ちます。料金や営業時間を、明記しておきましょう。外部サービスも使う場合は、掲載内容を最新に保ちます。写真や設備情報も充実させましょう。

効果を確認するときは、掲載数や閲覧数だけで判断しないでください。見るべきなのは、問い合わせ数や予約数です。実際の利用件数や、再利用につながった割合も確認します。費用と作業時間に見合うかを判断しましょう。

課題2:集客先を増やすほど管理作業が増える

複数の予約サイトや集客サービスを使うと、作業が増えることがあります。施設情報や料金の更新が必要です。予約の確認や問い合わせ対応も増えます。営業時間や料金がサービスごとに違うと、利用者が混乱しかねません。トラブルにもつながります。

対策:管理方法を整理し、重複作業を減らす

現在の業務を、種類ごとに分けてみましょう。「予約受付」「施設情報の更新」「入退室」「決済」「請求」「利用実績の集計」などです。どの作業に時間がかかっているかを確認します。そのうえで、手作業を減らせる機能を探しましょう。既存の予約や入退室の仕組みと連携できるサービスも候補です。

導入時は、機能の多さだけで判断しないことが大切です。実際に減らせる作業を確認しましょう。初期設定にかかる時間や、月額費用も見ておきます。問い合わせ時のサポート体制も重要です。自動化できる範囲は、サービスによって異なります。

課題3:空席や空き時間を売上につなげにくい

施設の稼働状況は、曜日や時間帯、季節で変わります。会議室が平日の夕方だけ空いていることもあるでしょう。個室が特定の曜日に使われないこともあります。

空いている時間を貸し出せれば、売上につながる可能性があります。ただし、すべての空席を安く開放するのが正解ではありません。月額会員の利用を妨げないか確認しましょう。清掃や受付の負担が増えないかも大切です。料金を下げすぎていないかも見ておきます。

対策:空き状況を把握し、小さく試す

まずは、曜日・時間帯・部屋タイプ別に、利用状況を集計します。そのうえで、限定した施策から試しましょう。空きが多い時間帯だけ、短時間利用を受け付ける方法があります。会議室を必要な時間だけ貸し出す方法もあります。実施の前後で、利用件数と売上を比べます。運用にかかった時間も確認し、続けるかどうかを決めましょう。

コワーキングスペースの市場動向と今後を踏まえた参考事例

事例1:地域の目的に合わせて施設を設計する

コクヨは、自治体などのコワーキングスペース事例を紹介しています。君津市の「清和地域拠点施設 おらがわ」や、茨木市の「おにクル」があります。大熊インキュベーションセンターや、群馬県庁の「NETSUGEN」も掲載されています。

参考:コクヨ「コワーキングスペース納入事例集」

これらは、施設の目的を地域の活動や交流、起業支援などと結び付けて考える参考になります。設備をそのまままねる必要はありません。大切なのは、自社の地域や利用者に、どんな価値を提供できるかです。地域の事業者との交流や、近隣企業の会議利用が考えられます。出張者向けの個室も一例です。立地に合う目的を決めると、施設の特徴を伝えやすくなります。

事例2:提携ネットワークで、使える場所を広げる

nex株式会社は、シェアオフィスブランド「THE HUB」を展開しています。2026年4月現在、提携ワークスペースは1,828か所に達しました。同社は、自社拠点と提携拠点を合わせた全国ネットワークで、場所にとらわれない働き方を支えるとしています。2026年8月には、自社運営施設を含めて2,400か所以上になる見込みです。

THE HUBは、私たちOnePlace HUBの提携先でもあります。

この事例から学べるのは、使える場所を利用者が選べる便利さです。施設を一つずつ探さなくても、必要な場所が見つかります。運営する側にとっては、自社の外にも接点を持つ考え方になります。もちろん、すべての施設で同じ結果になるとは限りません。自社の立地や利用者に合うかを確かめながら、取り入れましょう。

施設運営者が今から備えたい3つのこと|コワーキング市場の今後に向けて

ここまでの内容をふまえて、コワーキング市場の今後に向けた備えを3つにまとめました。

1. 自分たちの強みを、ひとことで言えるようにする

駅から近い、個室がある、夜遅くまで使える、料金が手ごろ。強みは、施設によってさまざまです。すべてをそろえる必要はありません。

大切なのは、「どんな人が、どんなときに使う場所なのか」をはっきりさせることです。来てほしい人が決まると、料金やプランも決めやすくなります。

2. 見つけてもらう入り口を増やす

自社サイトやSNSは、今まで通り大切です。とはいえ、施設を知らない人には、なかなか届きません。

そこで、ほかのサービスや提携先を通じて、新しい利用者と出会える入り口を持つ方法もあります。その際は、手数料、更新の手間、実際に利用につながるかを、比べて選びましょう。

3. 運営の手間を増やさない仕組みにする

入り口を増やすと、予約の確認や料金の更新が増えてしまうことがあります。そのため、予約・支払い・鍵の開け閉め・会員の管理を、できるだけ一つにまとめるのがおすすめです。

手間が減れば、スタッフは利用者への声かけや、施設づくりに時間を使えます。

OnePlace HUBなら、コワーキングの今後に備えた運営と集客を支えられます

ここまでお伝えした「入り口を増やす」と「手間を増やさない」。この2つを一緒にかなえるのが、私たちのOnePlace HUB(ワンプレイスハブ)です。コワーキングや会議室の運営に必要な機能を、一つにまとめたサービスです。

運営に必要な機能が、これ一つにそろいます

ドロップインや会議室の予約、支払い、スマホで開け閉めできる鍵(スマートロック)との連携、会員の管理、売上の分析まで対応しています。24時間365日、スタッフがいない運営にも対応できます。

スタッフがいる施設でも、受付や管理の作業を減らせます。なお、スマートロックは対応メーカーが決まっています。

提携先のサービスに、自動で施設が載ります

OnePlace HUBに登録すると、提携先のサービスに施設の情報が自動で掲載されます。提携先の会員数は、合わせて50万人以上です。自社サイトやSNSでは出会えなかった人に、施設を知ってもらうきっかけになります。

空いている席や時間は、今の状況をすぐ確認しながら管理できます。また、利用者はQRコードで受付ができます。既存の予約サイトと合わせて使うことも可能です。

空き時間を、新しい売上に変えられます

「今日は会議室の予約が入っていない」。そんな空き時間を、1回だけ使えるコワーキングとして開放できます。貸し会議室はもちろん、日中に空いている店舗やオフィスの会議室も、貸したいときだけ貸し出せます。

スタータープランなら、初期費用も月額の固定費もかかりません。ただし、手数料などの条件はプランごとに異なります。利用の増え方も、立地や料金、利用者層によって変わります。くわしくは公式サイトでご確認ください。

よくある質問|コワーキングの市場動向と今後について

Q1. コワーキングの市場は、今後も伸びますか?

確認できたデータでは、東京23区の拠点数と面積は増えています。また、テレワークの割合も増加に転じました。ただし、今後も伸び続けると言い切れる材料はありません。施設が増えるぶん、選ばれる工夫がより大切になります。

Q2. 地方でも、コワーキングは成り立ちますか?

地方部のテレワーク導入率は36.5%で、都市部より低い状況です。一方で、まだ使っていない人が多いともいえます。使い方を知ってもらう入り口づくりが、都市部よりも大切になりそうです。

まとめ|コワーキングの市場動向と今後は「選ばれる工夫」しだい

今回の内容を、ふり返ります。

  • テレワークは増加に転じ、令和7年度は、したことがある人が25.2%、直近1年の実施が16.8%でした。
  • 東京23区のフレキシブルオフィスは、拠点数が約10.5%、面積が約11%増えました。
  • 都心は高級化と利用料の上昇、地方は導入率の低さという、場所ごとの課題があります。
  • これからは、選ばれる理由づくり、入り口の数、運営の手間の少なさが大切になります。

コワーキングの市場動向と今後には、明るい材料もあれば、競争が強まる面もあります。だからこそ、自分たちの施設に合った一歩を、早めに踏み出すことが大切です。

OnePlace HUBについて、もう少し知りたい方は、お気軽にご相談ください。私たちが、施設に合った使い方を一緒に考えます。(お問い合わせはこちら)

参考情報・出典

スタータープラン